トップページ > 2019年2月22日 やまぐち住んで民?
やまぐち住んで民?

移住経験者に聞きました

移住された方に、移住のきっかけや、やまぐち暮らしの良さを語っていただくコーナーです。
今回は、岩国市に移住された、イチゴ生産販売「TARO」の山中健生(やまなか たけお)さんに、移住を決めた理由や新規就農の苦労などを伺いました。

-家族とのつながりを大切に-
岩国市|山中健生さん 前編

山中夫妻の写真

移住されるまではどのようなことをされていたのですか?

生まれ育ったのは山口県ではなく、高専を卒業後、東京でコンピューター関係の会社に就職しました。3年で退職し、兄の影響で高校時代から始めていたサーフィンの腕をもっと上げようと、ワーキングホリデーを利用してオーストラリアに行きました。帰国してからは、機械系の会社で働いたのですが、やりがいをあまり感じられなくて…。そんな時、仕事で行った筑波で、当時、大学院で植物病理学を専攻していた妻に出会いました。農業について楽しそうに話すのを聞いているうちに、急激に農業への興味が湧いてきました。そして、26歳の時にイチゴ農家になることを決意し、退職しました。妻とは、岩国市由宇町でイチゴ栽培を始めてから結婚しました。

どうして、イチゴ農家になろうと思われたのですか?

イチゴ農家はもうかるという話を聞いたからです。後になってから、そのときの金額は、所得ではなく売上だということに気がつきました(笑)。大きな勘違いからのスタートでしたね。

岩国市由宇町を選ばれたのですか?

転勤族だった父が、定年退職後、祖父母の家がある岩国市由宇町に戻っていました。イチゴ農家は1年中休みがないので、関東で始めてしまうと家族に会うのが難しくなってしまいます。家族のつながりを大切にしたかったので、イチゴ農家をやるんだったら山口県で、と考えました。

新規就農へ向けて、どのようなことから始めていったのですか?

茨城県のイチゴ農家で1年間研修させていただきました。その後、柳井市のイチゴ農家さんの元でさらに1年間学びました。柳井市の農家さんは、感動するほどおいしいイチゴを作られていて、一切PRをされていないのに、お客さんがどんどん来られるんです。「イチゴに営業させるんだ。イチゴがお客さんを呼ぶんだ!」という姿勢に、とても衝撃を受けたと同時に、自分たちもそうなりたいと強く思いました。
イチゴの写真

新規就農に関する苦労を教えてください。

農地探しは本当に苦労しました。休耕田を中心にいろいろと探したのですが、水はけや土地の形状などの問題があって、希望に合う土地は見つかりませんでしたね…。最終的には、祖父母が土地をお貸ししていたレンコン農家の方に、こちらで探した別の農地に移っていただきました。その後、全面的に土壌改良をしてイチゴ農園として使うことにしました。ですが、1年目は納得のいく味のイチゴを収穫することができなくて、すでに入っていたクリスマスの予約を全てお断りしました。でも、自分たちでは何が原因なのか全く分からなくて…。柳井市のイチゴ農家さんに相談したところ、水の量が原因だったということが分かりました。イチゴって、水と肥料のちょっとした割合でも、味が大きく変わってしまうんです。その失敗のおかげで、味にはとても敏感になりました。今は肥料の使用を最低限にして、水やりの量やそのタイミングを調節するなど、イチゴ自体の能力を十分に発揮させるよう、二人で日々考えながら生育環境を改善しています。
作業の様子の写真

新規就農支援制度は活用されましたか?

研修期間中の最長2年間、月10から15万円給付していただける支援制度を活用しました。それに際して、山口県岩国農林事務所や、岩国市由宇総合支所農林建設課、やまぐち農林振興公社、JA、地元の方たちなど、たくさんの方に親身になって相談に乗っていただきました。支援制度を活用するためには、事業計画書を作成する必要があったのですが、何度もダメ出しをされて、投げ出してしまいそうになりました。そんな時に、農林建設課の方から「今までのような農業をやりたいの?それとも計画性のあるこれからの農業をやりたいの?」と言われてハッと目が覚めました。そのおかげで、事業計画書の重要性を再認識することができ、最後まで作りきることができました。

山中健生さんの写真

山中健生さん

やまなか たけお/岩国市在住 イチゴ生産販売「TARO」

東京の会社に勤務していた時に、大学院で植物病理学を学んでいた妻の歩さんと出会って新規就農を志し、退職。茨城県のイチゴ農家で1年間研修後、祖父母の地、実家がある岩国市由宇町へ孫ターン。柳井市のイチゴ農家で1年間研修後、2009年「TARO」を開業。将来の夢は、農業を通じて発展途上国の支援に携わりたいという妻の夢を実現するために、最も難しいといわれている「イチゴの無農薬・無肥料栽培」を実現すること。