トップページ > 2019年6月28日 どこ行く?山口食べちゃろ
どこ行く?山口食べちゃろ
 

防府市編 ほうふ玉子かけごはん&天神鱧

山口県の市や町のおいしい話を2つ聞いてから、その日の気分でココロが動いた方へ突撃取材しちゃうコーナーです。第9回は防府市へ行ってきます!

防府市役所の方に聞きました!!

防府市でおすすめの味、二つ教えてください!!
「ほうふ玉子かけごはん」と「天神鱧(はも)」を紹介します。
ほうふ玉子かけごはんの写真
天神鱧を使った料理の写真
まず、ほうふ玉子かけごはんから。誕生のきっかけは、平成27(2015)年に放送されたNHK大河ドラマ「花燃ゆ」です。防府市は、ドラマの主人公、吉田松陰(よしだ しょういん)の妹・文(ふみ)と、その夫・楫取素彦(かとり もとひこ)の終焉(しゅうえん)の地で、夫妻と深い関わりがあります。また、楫取素彦の書簡には、ふるさとの好物について触れたものが幾つかあり、それらには「上酒」で念入りに煮染(にし)めた「河豚(フグ)」や、「白魚(シロウオ)」、「雲丹(ウニ)」などが出てきます。中でも「白魚之玉子カケ」は「垂涎三尺(すいぜんさんじゃく)」と書いているほど好物でした。そこで、その記述から発想し、防府天満宮周辺の飲食店に玉子かけごはんの提供ができないか呼び掛けたところ、14店舗の賛同があり、各店がオリジナルメニューを開発。各店の知恵と個性が詰まった防府地域の新名物として人気を集め、現在も8店舗で提供されています。
垂涎三尺!! “よだれが三尺(約90センチメートル)も垂れるほど食べたい”という意味ですね。想像するとスゴイ(笑)。どんな玉子かけごはんが開発されたのですか?
例えば、防府天満宮の御祭神・菅原道真(すがわらのみちざね)公が愛したウメの花をかたどったカラフルな玉子かけごはん。ピリ辛のタコミートと、アボカド、温泉卵などを組み合わせたタコライス風玉子かけごはん。豚丼風玉子かけごはん。ビビンバ風玉子かけごはん…等々。各店それぞれに個性があって楽しめます!!
ウメの花をかたどったカラフルな玉子かけごはんの写真
タコライス風玉子かけごはんの写真
豚丼風玉子かけごはんの写真
ビビンバ風玉子かけごはんの写真
めんたいこやちりめんが載った玉子かけごはんの写真
梅くらげとあぶり焼きふぐの玉子かけごはんの写真
フグ刺身御膳の写真
四季の御膳の写真
「えっ、それも玉子かけごはん?!」って突っ込みたくなるほど自由なのがイイですね(笑)。もう一つの「天神鱧」について教えてください。
実は、防府市は全国有数のハモの漁獲量を誇ります。地元で漁獲される新鮮なハモを名物料理にしようと、平成17(2005)年に市内の飲食店有志の皆さんが「鱧塾(はもじゅく)」を開講。そして、鱧塾の皆さんによるハモ料理を「天神鱧」というブランドで売り出すようになったんです。その名は日本三天神の一つである防府天満宮にちなんだものです。鱧塾加盟店は現在11 店舗。ハモ料理の質を向上させ、おいしい天神鱧を多くの皆さんに味わっていただこうと切磋琢磨しておられます。
天神鱧にはどんな料理があり、いつからいつまで食べることができますか?
湯引きをはじめ、白焼き、ハモそうめん、揚げ物など、各店それぞれが異なるさまざまなハモ料理をコースや単品で提供しておられます。提供期間は定められていませんが、5月から9月が旬です。また、「ハモは梅雨の水を飲んでおいしくなる」という言葉があり、梅雨の後のハモは脂が乗って最高とされています。
ハモ料理のコース…。えっ、ハモ料理ってそんなにバリエーションがあるんですか!! うーん、食べてみたい…。今回は天神鱧を食べに行ってきます!!

さあ、お店に到着です!! お店のご主人に聞きました!!

鱧塾を始められた理由を教えてください。
ハモは沿岸の砂泥地や岩礁の近くに生息する魚で、その鋭い歯でエビ・カニ・イカなどを食べて育ちます。防府沖はそんなハモの絶好の生息地なんです。ハモは生命力が強く、生きたままで長時間の輸送に耐えることから、防府で水揚げされたハモは以前から関西方面などへ出荷され、その味は高く評価されてきました。一方で、ハモは調理が難しいことから地元での消費量は限られていました。でも、産地で調理すれば、ハモに輸送などのストレスを与えないので、さらにおいしくいただけます。そこで産地ならではの鮮度と調理法でハモの魅力を強調しようと、鱧塾を始め、調理技術を磨き、新作料理の研究会なども行うようになったんです。
産地ならではのハモ料理の魅力って何でしょうか?
まず、地元産の活(い)きハモを、店で締めてから使うので、浮き袋や、胃袋、肝などまで食べることができます。それができるのは産地だからこそ。浮き袋は切ると縦笛のような形になることから「鱧笛」って言うんですよ。
ハモのあぶり焼きなどのハモ料理の写真
鱧笛が入ったお吸い物の写真
浮き袋、胃袋、肝まで食べられる!? 初めて知りました!! まさに活きハモならではですね。ハモといえばプロの技「骨切り」。家庭では、骨切りされたハモを買って湯引きにするのが一般的です。骨切りについて、また、産地ならではの天神鱧の調理方法を教えてください。
鱧は小骨が2,000本ぐらいあるといわれるほど多いため、薄皮一枚だけ残して、身と小骨を細かく刻む「骨切り」をします。実は、締めたばかりのハモは身が生きているためかなりの弾力があり、切るそばから身が動くので、骨切りは難しく、あまり細かく切れないため、京都などではハモを締めて数時間置いてから切ります。でも、天神鱧では、活きハモの歯応えの良さを楽しんでいただくため、鮮度のいいうちに骨切りをして、しゃぶしゃぶや、あぶり焼き、フライなどに。あぶり焼きは身が生きているので、火が当たった瞬間に縮まります。また、薄造りをお出しする店もあります。
えっ、ハモの薄造り?! ハモがお刺身で食べられるんですか?!
はい。天神鱧の薄造りは骨切りではなく、小骨を一本一本抜いて造っています。ハモの小骨は枝分かれして、身に食い込んでいるので、新鮮な身から素早く抜くのは大変です。でも、ハモ料理の本場京都のお客さまも「薄造りや生肝は初めて!」と評判がとてもいいんですよ。
ハモの薄造りの写真
ハモしゃぶの写真
ハモの小骨を一本ずつ抜く…。すごい技ですね!! 他にもう一つ、産地だからこその天神鱧の魅力を教えてください。
特に天神鱧の魅力を強烈に伝えるのが、ハモしゃぶです。熱が通った瞬間に皮が縮んで身が締まり、ギュッと詰まったうま味を堪能できます。それができるのは、鮮度が最高にいい、産地の料理ならではです。しかもハモの皮が縮んでクルッと丸まり、ハモの身が鍋の中の白髪ネギと三つ葉を自分からつかみ取ってくれて、いい感じになるんです。でも、そうなるようにするには、硬い脊椎をきちんと取っておかないといけません。ハモしゃぶでは、皮の弾力、身の弾力、野菜の歯切れ、その三拍子がそろった魅力をお楽しみいただけます。

…というわけで今回は、天神鱧をいただきました!!

おわんのふたを取ると、お吸い物の中に半透明の小さくて細い筒状のものが…。それが鱧笛でした!! コリコリ、ツルっとした初めての不思議な食感!! 胃袋のさんしょう焼きも歯応えが楽しくて、まさに珍味。プルンとした生肝は、ゴマ油と塩の味付けが絶妙!! 産地だからこその薄造りは、かめばかむほど濃厚なうま味が口の中に広がり、そのおいしさに感激!! フライはサクッと揚がった衣の中、身はふんわり。添えられたゆずこしょう入りのタルタルソースがまたイイ。そのほか、ハモずし、南蛮漬けなど。そして圧巻はハモしゃぶ!! ハモの骨や頭、コンブから出た濃厚なだしをハモの身が吸って、想像以上のうま味が口の中に広がる、驚きのおいしさ。ハモって淡泊な味という先入観があったのですが、全く違っていて、プロの料理人さんの手にかかれば濃厚なうま味を楽しむことができるんですね。ハモのおいしさをくまなく味わってもらおうという料理人さんたちの思い、ハモの命ヘの感謝まで伝わってくる、活きハモの魅力を引き出すさまざまな調理法に感動しました。それにしても料理人の皆さんが共に学び合いながら産地の魅力をアピールするってイイですね。ほうふ玉子かけごはんの自由な発想もイイ。防府って創造性豊かな食文化のまちだったんですね!! 皆さんも防府でおいしいひとときを満喫して天神様のパワーをいただいてください!!