トップページ > 2019年8月23日 どこ行く?山口食べちゃろ
どこ行く?山口食べちゃろ
 

柳井市編 甘露しょうゆを使ったスイーツ&自然薯

山口県の市や町のおいしい話を2つ聞いてから、その日の気分でココロが動いた方へ突撃取材しちゃうコーナーです。第11回は柳井市へ行ってきます!

柳井市役所の方に聞きました!!

柳井市でおすすめの味、二つ教えてください!!
「甘露(かんろ)しょうゆを使ったスイーツ」と「自然薯(じねんじょ)」です。
甘露しょうゆを使ったスイーツの写真
自然薯の写真
 
甘露しょうゆを使ったスイーツ? まずは、その甘露しょうゆについて教えてください。
天明年間のことですが、岩国藩主の吉川(きっかわ)氏が“柳井津(現在の柳井市)に美味なるしょうゆ有り”と聞いて、所望されたそうなんです。そこで、特に醸造の秘技を凝らした再仕込みしょうゆが献上されたところ、吉川氏はその芳醇(ほうじゅん)な味と香りに思わず「甘露、甘露」と歓声を漏らされた、と伝えられていて…。
グルメなお殿様だったんですね!! そのお殿様がおっしゃった「甘露、甘露」ってどういう意味なんでしょう?
「おいしい」という意味です。以来、柳井では「甘露しょうゆ」の公称のもと、昔と変わらぬ製法で今日まで造り続けられています。その製法は、一度出来上がったしょうゆに、もう一度麹(こうじ)を加えて再仕込みするもので、仕込みから完成まで3年から4年かかります。「白壁(しらかべ)の町並み」にある天保元(1830)年創業のしょうゆ店では、しょうゆ蔵を公開しており、仕込み中の三十石桶(さんじっこくおけ)を見学することもできます。
白壁の町並みの写真
しょうゆ蔵の写真
白壁の町並みは、今も江戸時代の商家の家並みが残る、とてもノスタルジックなまちですね。その白壁の町並みのおしょうゆ屋さんで造られた甘露しょうゆを使ったスイーツというと、どんなものがあるんですか?
柳井市では、市内にある優れた地域資源を「きんさい柳井」ブランドとして認証していて、その中から甘露しょうゆを使ったスイーツを挙げると、ロールケーキにバターケーキ、また、ラーメンなどの料理もあります。中でも甘露しょうゆを使ったバターケーキは「やまぐち美食コレクション2013」のお菓子部門で第1位、総合部門ランキングで2位を受賞!! 甘露しょうゆのほのかな香りとバターの風味がおいしい逸品です。「きんさい柳井」ブランド以外にも、甘露しょうゆを使ったさまざまなスイーツがあり、例えば甘露しょうゆのソフトクリームはしょうゆの塩味と甘味の組み合わせが思いのほかおいしく、おススメです!
甘露しょうゆのバターケーキの写真
甘露しょうゆのソフトクリームの写真
甘露しょうゆを使ったケーキやラーメン、ソフトクリーム! 市内各所のさまざまなお店が独自の商品を生み出しておられるんですね!! もう一つのおすすめ、自然薯についても教えてください。
自然薯は本来、山野に自生するもので、かつては畑での栽培は不可能とされていました。そうした中、柳井市の故政田敏雄(まさだ としお)氏が昭和40年代から栽培方法の開発に着手。やがて天然の自然薯が生育する山の環境を畑に再現できる独自のパイプを発明し、栽培が可能になったんです。柳井市では、そのパイプの発明によって、全国に先駆けて人工栽培に成功し、自然薯を一般のご家庭でも味わえるものにした点を評価し、自然薯および自然薯加工品を「きんさい柳井」ブランドとして認証しています。
柳井市は“自然薯栽培発祥の地”なんですね!! 自然薯というと、粘り気が強く、ヘルシーな食材としても人気がありますね!
はい!! 自然薯はアミラーゼ等の酵素や老化を防止するビタミンE、カリウム、銅などのミネラル成分を多く含む、健康的な食材です。食べ方としては、すりおろして、卵とだしでのばした「とろろ」が最もおなじみだと思います。市内の飲食店でも、とろろやサラダ、フライなどで提供されています。また、「きんさい柳井」ブランドとして認証された自然薯加工品には、そうめんや冷めん等の麺類や、だんご汁、ドーナツ、プリンなどがあります。
自然薯の商品の写真
自然薯のプリンの写真
自然薯のプリン?! バラエティーに富んださまざまな加工品があるんですね。それにしても甘露しょうゆとバターケーキという意外な組み合わせのケーキのお話に大いにココロが動かされました(笑)。今回はそのお店へ、お話を聞きに行ってきます!!

さあ、お店に到着です!! お店のオーナーシェフに聞きました!!

甘露しょうゆを使ったバターケーキ、大人気だそうですね!!
ありがとうございます!! 7年前、この店のオープンに当たって、柳井のおいしい食材を使ったお菓子を作ろう、特に甘露しょうゆは絶対に使おうと考えました。店の柱となる三つの商品を作ったんですが、今、その三本柱の商品の中でも、リピーターの方が多い一番人気の商品が甘露しょうゆのバターケーキなんです。
商品として完成させるまで、きっと試行錯誤をされたのでは?
どうすれば甘露しょうゆとバターが合うか、甘露しょうゆをうまく生かせて、バターと甘露しょうゆの香りや味がけんかせず、たくさん食べても飽きない味になるかなど、試行錯誤を重ねました。実はバターケーキに決めるまで、マドレーヌやフィナンシェなどいろいろ試してみたんです。そして最終的に、バターと甘露しょうゆの香りが最もよく合い、口当たりも重たくなく、しっとりしておいしいバターケーキに決めたんです。
甘露しょうゆのバターケーキを作っている写真
出来たての甘露しょうゆのバターケーキの写真
再仕込みしょうゆの甘露しょうゆって濃厚な味ですよね?
はい。濃いからこそ、バターととてもよく合うんです!! 甘露しょうゆのバターケーキは袋を開けた途端、まずフワッっと甘露しょうゆが香り、その後、バターが香ります。パッケージも白壁の町並みの柳井らしさを出したい、手に取って食べてみたくなるものにしたいと思い、いろいろと悩みました。ぜひ、食べてみてください!!

…というわけで今回は、甘露しょうゆを使ったバターケーキをいただきました!!

甘露しょうゆとバターって意外…って思っていたんですが、食べてみると全く違和感はなく、甘露しょうゆとバターがふんわり香って、生地はしっとり、優しい味で「これはおいしい!!」と笑顔になりました。甘さはちょっぴり控えめ。甘露しょうゆのバターケーキは、夏は特にお土産用として、とてもよく売れているようで、そんな忙しい中、オーナーシェフさんは製造工程まで丁寧に教えてくださいました。たくさんの卵の中には、砂糖だけでなく、水あめや蜂蜜も加えることで、しっとりした生地にしているそうです。それにしても甘露しょうゆとバターという和と洋の食材を使っているだけに、コーヒーにもお茶にもよく合います。年齢も国も関係なく、どなたにも好まれるインターナショナルなケーキなのではと思いました!!

ところで、皆さんは甘露しょうゆのソフトクリームを食べたことはありますか? 「しょうゆ味は合わないでしょ」と思う方が多いかもしれませんが、実はかつて白壁の町並みで大人気のスイーツでした。でも、残念ながら閉店され、食べられなくなっていたのですが、今年6月、同じ場所に、若いご夫婦が新たなカフェをオープンし、幻となっていたソフトクリームを新たな形でリニューアル復活されたと聞き、行ってきました。新しいソフトクリームは、バニラの香りと乳脂肪のコクが豊かなソフトクリームに、そのカフェが独自に考案した甘露しょうゆ入りオリジナルソースをかけたもの。クッキー生地のオリジナルスプーンで食べるというアイデアもステキ! 食べてみると、しょうゆの味というより、むしろキャラメルや黒糖といったなじみのある味に近く、濃厚なソフトクリームとコクのある甘露しょうゆソースが絶妙にマッチした、笑顔がとろける、大満足のスイーツでした!! カフェの2階は手作りおもちゃのある40畳のキッズスペース。地域づくりの拠点にもしていきたいそうです。

しょうゆ蔵をはじめ、白壁の町並みなど、歴史や文化を感じられるまち、柳井。大人も子どもも楽しめる、懐かしくて優しいまちへぜひどうぞ!!