トップページ > 2020年8月28日 食レポ!!やまぐち
食レポ!!やまぐち

萩市弥富地区編 そば処 龍の里 やどみ

山口県の各地域の新しい食、気になる食をレポート!! 第3回は萩市弥富(やどみ)地区編です。弥富地区では、約20年前から地域おこしとして、そば栽培に取り組んでいます。昨年12月、地域の皆さんで休校中の小学校を活用し、石臼びき地元産そば粉を使った“十割そば”の“そば屋”をオープン!! そば通の間でも話題になっている「そば処 龍の里 やどみ」へ行ってきます!!
取材をするきらりんのイラスト
弥富小学校の校舎の写真

ゴーヤや朝顔のグリーンカーテンで彩られた夏の校舎

弥富小学校の玄関の写真

手作りの装飾がお客さんをお出迎え!!

休校中の校舎を活用というのは、いいですね!! どうしてこの取り組みが生まれたのですか?
約20年前から地域おこしとして休耕田を活用したそば栽培に取り組み、毎年10月には「弥富そばの花まつり」を行ってきました。そして昨年、地域の長年の夢だったそば屋をオープンさせることが決定!! その際、市長から、「休校が決まった小学校でやってみては」と提案され、ここでやることにしたんです。
教室を利用した食堂の写真

教室が“食堂”。実はこの後、みるみるうちに満席に!

机といすの写真

そうそう、この感じ! 座りたくなるよね

始めるに当たって、どのような準備をされましたか?
そばの花まつりでもずっとそば打ちをしていたんですが、オープンに当たって、あらためて大分県豊後高田市にあるそば道場へそば打ちをする4人で習いに行ってきました。そのうち2人は期待の若手。自己流のそば打ちがまだ体に染みついていなかったことも幸いし、基本からとても丁寧に教えていただいたことをしっかり身に付けてくれました。今やすっかり頼もしい存在です。
二人の若手スタッフがそばを作る様子の写真

二人は期待の若手。一人は移住者さんです!!

そば処 龍の里 やどみのTシャツの写真

おそろいのTシャツが粋ですね

そば粉は石臼びきだそうですね?

はい。以前からある石臼を使い、自分たちでひいています。そばは熱に弱いもの。機械でひくよりも石臼でひく方が熱は発生しにくく、そばの風味を損なわないので、石臼でひいているんです。
そばを切る様子の写真

そば粉は石臼びきの弥富産

切ったそばをまとめる様子の写真

しかも、そば粉100%。こだわりの十割そばです

しかも、つなぎ(小麦粉)なし、そば粉100%の十割そば。こだわっていますね!!
弥富そばの風味をしっかりと味わっていただきたいからです。弥富は約40万年前の伊良尾(いらお)山の噴火でできた台地の豊かな土、その地下水にも恵まれています。一日の寒暖差も大きいため、おいしい米が育つだけでなく、おいしいそばが育つところなんです!!
他にもメニュー作りなどで工夫されたことがありますか?

弥富出身で萩の日本料理店で働いている板前さんが料理指導をしてくれて、だしには萩産のエソの煮干しを使うことにしました。エソといえば萩名産のかまぼこの材料。だから、だしもおいしいですよ! だしを取った後の煮干しや昆布などは、つくだ煮にして定食で出しています。おみやげとしても販売していて「ご飯が進む」と大人気です。おにぎりは、弥富産の米に、以前から地域おこしにと思って栽培してきたモチムギを混ぜたもの。プチプチとした食感が好評です。モチムギは今、健康面から注目されている食材なんですよ。
定食に付いてくるデザートも興味津々です!!
弥富産モチムギ入りおにぎりの写真

弥富産モチムギ入りおにぎり。プチプチ食感がいい!

そば湯を使ったデザートの写真

オシャレ!! そば湯を使った新感覚デザート

女性陣がいろいろと考えてくれて、そば湯を寒天で固めたオリジナルデザートを出しています。2層から成るデザートで、下の層はこしあん入りのそば湯寒天です。その他にも、コーヒーを入れたそば湯デザートなどを出すときもあります。

いいですね!! そばだけでなく、おにぎりやデザートも食べたくなってきました。そば定食をお願いします!!

(そば定食、到着)お待たせしました。そば定食です。どうぞ!!
そば定食の写真

感激の「そば定食」!!

そばを箸で持ち上げる様子の写真

うーん、おいしそう!!

まず、そばつゆを付けず、そばをそのままいただいてみます…。うーん、口の中にほのかに広がる、そばの風味。思わずニンマリです!! そして、そばつゆを少し付けてズズズッ…。うん、そばによく絡んで、いい。十割そば、最高!! おにぎりは…なるほど、プチプチ食感が楽しい。つくだ煮は濃厚なうま味の中に山椒(さんしょう)がピリッと効いて、クセになる味。そば湯寒天のデザートは、寒天で固められていてもそば湯独特のトロッとした感じが楽しめて、何とも不思議。また、上に載っている塩漬けの桜が、味としてもいいアクセント!! 昔からからだにいいと言われているそば湯にプラスされた新しい発想が楽しくなります。いやぁ、そば定食、満足、満足。本当にごちそうさまでした!!
スタッフの皆さんの写真

スタッフの皆さん。「そば栽培をやりたい人。ぜひ弥富へ!!」

畳ヶ淵の写真

龍が通った道「畳ヶ淵(たたみがふち)」にも行ってきました!!


【取材を終えて…】

実は私、そばが大好き。つなぎを使わない十割そばは一般的にゆでるときなどにぶつぶつと切れやすいのに、ここのはそうなっていない。よく見ると、更科(さらしな)(※1)ではないものの、そばが少し白っぽい。尋ねてみると、甘皮(※2)を混ぜたそば粉の十割そばは切れやすいため、そばの実のひき具合をほどよく考えているんだそうです。とはいえ、甘皮はそばの風味が濃い部分。うーん、そばって奥が深い。 それにしても、人気の高さにびっくり。気付けばあっという間に満席になり、隣の教室には順番待ちの人たちが。「『こんなおいしいそばがあったのか』と言われたこともあり、うれしかったです」とスタッフさん。遠くから来られるリピーターさんも多いそうです。営業日は、土曜日・日曜日・祝日が基本。 店名は、弥富に龍神伝説が伝わることや、伊良尾山の約40万年前の噴火で流れ出た溶岩の流路が、空から見ると「龍が通った道」のようになっていることに由来。龍が通った道にある畳ヶ淵へ行ってみると、六角形の岩が整然と並ぶ景色が壮観でした。 休校になった校舎に人がたくさんいるってイイ。まるで文化祭。おいしくて、懐かしくて、また行きたくなる。そんな弥富へぜひどうぞ!!
  1. そばの実の中の真っ白い胚乳部だけをひいたそば粉。 本文※1へ戻る
  2. 胚乳部分を包む薄い皮。色が濃く、香ばしい香りが特徴。 本文※2へ戻る