山口市|「大内塗」のオリジナルアクセサリー作り体験
皆さんは、「山口県」といえば、何を思い浮かべますか? 「フグ」、「秋吉台」、「錦帯橋」…。
それだけ?! いやいや、山口県には他にも知ってもらいたい魅力が、各地域にたくさんあります!
そんな地元民がおススメしたい山口県の魅力を「体験」を通じてお届け♪
第3回は山口市で「『大内塗(おおうちぬり)』のオリジナルアクセサリー作り体験」をしてきました!
有限会社中村民芸社外観
丸っこくてかわいい大内人形
「漆」ののれんがカッコイイ!
室町時代に繁栄した大内(おおうち)氏。現在の山口市は、かつて大内氏の拠点であり、町割り・建築や工芸品などに京風が取り入れられ、西国有数の栄華を誇りました。その大内文化を今に伝える伝統工芸品が大内塗です。優雅な絵模様と金箔(きんぱく)貼りが印象的な漆工芸で、椀(わん)や盆のほか、大内弘世(ひろよ)夫妻の仲むつまじさを元に明治時代に生まれたといわれる、大内人形が知られています。
体験場所は山口市の東部、市街地からほど近くの住宅地にある有限会社中村民芸社。今回も、「
やまぐち 遊び・体験 半額キャンペーン」を利用しての体験です。
さっそく体験!
ワークショップルーム
盆や重箱など伝統的なもの
大内塗のかわいいマスコットなどがきれいに飾られています
建物2階のワークショップルームは、窓が大きくとられ、明るくモダンな雰囲気の中に大内塗の作品が展示されています。ここで講師の方の説明を聞きながら、体験スタート!
作品サンプルを見せてもらっているところ
形や大きさを決めます
製作できるアクセサリーは、イヤリング、ピアス、ネックレスなどから選べます。アクセサリーを着けない人向けにキーホルダーもあります。実物や作品サンプルの写真を見て、イメージを固めます。今回何を作るかは…出来上がってのお楽しみ! 続いて、形や大きさを選びます。キューブや円筒形など、さまざまな形にカットされた木片に触れながら、しっくりくるものを選ぶのは楽しいですよ!
色サンプル
漆の登場です
お手本を見ながら作ります
今回使う大内朱の漆
次は色選び。漆といえば、朱色や黒を思い浮かべますが、水色や緑、ピンクなどかわいい色もそろっています。悩むなあ…。講師の方によると、大内塗の朱色は独特の深みがあって、「大内朱」と呼ばれているとのこと、せっかくなので、大内朱にします!
では塗り始めます。漆といっても、本漆ではなく代用漆なので、肌がかぶれる心配がありません。
丁寧に塗り始め
側面もきれいに
一度に多く塗ると厚みにムラが出るので、気を付けなければいけません。職人さんは塗っては乾かす、を繰り返して厚みを出していくそうです。
ドライヤーで乾燥させます
タブレットで金箔の貼り方の説明
金箔であしらわれた「大内菱」の描かれた盆
塗り終えたら、乾燥させます。本漆の場合は「室(むろ)」や「漆風呂」と呼ばれる設備で、一定の温度を保ち、湿度を与えながら乾燥させます。「湿度を与えて乾燥」というのは不思議な気がしますが、漆に含まれる「ウルシオール」という成分は水分を取り込んで固まるのだそうです。今回は代用漆なので、アクリルで囲った箱に入れて、ドライヤーで乾燥させます。
乾燥の待ち時間にお茶をいただいたりしながら、次の金箔貼りの説明を受けます。大内塗では、大内家の家紋であるひし形を金箔であしらう、「大内菱(びし)」が一つの特徴となっています。
金箔を貼ります
金箔の飛び出た部分を筆ではらって滑らかに
金箔を貼っていきます。なんと貼り放題!(笑) 先ほど塗った大内朱の上に、あめ色の漆を塗ってのり代わりにし、ピンセットで金箔をチョンチョンとくっつけます。なかなかの細かい作業で、思ってもみない場所に付いてしまいますが、なんとかうまく仕上げられました! ちなみに出来上がりのイメージは、「炎」。金箔を、舞う火の粉に見立ててみました。
漆職人になった気分です
2回目の乾燥。いよいよ大詰め
あっ
2回目の乾燥を終えたら、塗りは完成。いよいよ大詰めか…と一息ついていたら、服の袖がキラキラ…。冬場で空気が乾燥していて、静電気で服に金箔がたくさんくっついています。金箔はお料理やお菓子の上に乗せたりするのと同じものなので安全ですが、ビックリ! 講師の方も「あまり起こらないことですよ。」と苦笑いをされていましたが、縁起が良いと思うことにしました。
すてきなアクセサリーの完成!
金具の取り付け
出来栄えはどうかな?
記念写真用のフレームで撮影
持ち帰り用の箱もあります
金具を取り付けたら、完成です! そう、今回製作したのはイヤリングでした。小さな大内人形の飾りなどと合わせてフレームに置いて記念撮影ができます。持ち帰り用の箱も用意されていて、なんだかジュエリーを手に入れた気分。自分で作ったものなので、とても愛着が湧きます!
似合うかな?
やっぱり眺めるだけじゃなく、身に着けてみたくなりますよね! 代用漆がちゃんと乾燥するには一日ぐらいかかるのですが、試着程度は問題なし。フォーマルな場所にも着けて行ける、すてきなイヤリングです! 日本の伝統工芸を身近に感じられる、とても良い体験でした。
中村民芸社のご紹介
展示販売コーナー
伝統的な大内塗。美しいですね
アクセサリー・マスコットなどもたくさん展示されています
大内塗のアマビエ
大内塗と萩焼のコラボ、「山口陶漆器」のコーナー
中村民芸社の一階は、展示販売コーナーになっており、大内人形や伝統的な椀や箸などをはじめ、アクセサリー、マスコットなど現代風にアレンジされたものまで、たくさん展示販売されています(一部非売品もあります)。伝統工芸に気軽に触れてほしいとの思いから、こういった商品を意欲的に開発されているのだそうです。なんと、漆塗りのプラモデルのロボット(非売品)も展示されていました。
また、大内塗漆器振興協同組合事務局が置かれ、県内外に大内塗の魅力を発信するため、展示会出展、イベント企画・運営など、積極的に活動されています。
ちなみに中村民芸社は、メールマガジン「
山口きらめーる」の
協賛施設。メールマガジン登録者の方は、利用証をダウンロードして提示すると、全商品5%引きでお買い求めいただくことができます。ぜひご利用を!
今回体験したプランはこちら!
※新型コロナウイルス感染症対策のため、一回の体験人数を最大5人に制限しています。